--ルソー名言集--
(Jean-Jacques Rousseau ジャン=ジャック―)フランスの啓蒙思想家。理性に対して感情の優位を主張し、人為的な文明社会における人間の堕落をつき、自然に帰ることを説いた。「人間不平等起原論」「社会契約論」で人民主権を説いて大革命の原理を打ち出し、「新エロイーズ」で情熱の解放をうたってロマン主義の源流をつくり出し、「エミール」で自然に即した人間像を示し、「懺悔録」で自己を赤裸々に語った。(1712〜1778)


・嘘には二種類ある。過去に関する事実上の嘘と、未来に対する権利上の嘘である。
―「エミール」―

 

・男は知っていることをしゃべり、女は人に悦ばれることをしゃべる。
―「エミール」―

 

・女にとって束縛は逃れられない運命で、
女がこの束縛から離れようとすれば、いっそうはげしい苦しみに出会う。
―「エミール」―

 

・子供達が父親に結びつけられているのは、
自分たちを保存するのに父親を必要とする期間だけである。
―「社会契約論」―

 

・科学や芸術は一種の贅沢にすぎない。虚偽の装飾にすぎない。
―「新エロイーズ」―

 

・感謝は支払われるべき義務であるが、誰であろうとそれを期待する権利はない。

 

・教育とは自然の性、すなわち天性に従う事でなければならない。
国家あるいは社会のためを目標とし、国民や公民になす教育は、人の本性を傷つけるものである。
―「エミール」―

 

・悔恨の情は、得意の折には熟睡し、失意のときには苦味を増すものである。
―「告白論」―

 

・単によい歌い手や踊り手であるだけでは、世間で抜きん出るわけにはいかない。
―「告白論」―

 

・自然は決して我々を欺かない。我々自身を欺くのは常に我々である。
―「エミール」―

 

・どんなものでも、自然という造物主の手から出るときは善であり、
人間の手に渡ってからは悪となる。
―「エミール」―

 

・人民の自由は、国家の強さに比例する。
―「社会契約論」―

 

 

・人間は自由なものとして生まれたが、いたるところで鎖につながれている。
自分が他人の主人であると思っているような人間も、実はそれ以上の奴隷である
―「社会契約論」―

 

・私達はいわば二回この世に生まれる。
一回目は存在するために、二回目は生きるために。
―「エミール」―

 

・死に対する用心さが死を恐ろしいものにし、死の接近を促進する。
―「エミール」―

 

・政治とは、支配者と民衆との間に結ばれる単純な契約である。
―「社会契約論」―

 

・あらゆる人間の知識のうちで最も有用でありながら、最も進んでいないものは、
人間に関する知識であるように思われる。
―「人間不平等起源論」―

 

・都市は人類の掃き溜めである。
―「エミール」―

 

・我々が災難に苦しんでいるとき、思慮なく我々にうるさく迫る慰めは、
我々の悲しみをいっそうはげしくするのに役立つのみである。

 

・十歳では菓子に、二十歳では恋人に、三十歳では快楽に、四十歳では野心に、
五十歳では貪欲に動かされる。人間はいつになったら叡智のみを追うようになるのであろうか。
―「人間不平等起源論」―

 

・名声は人々のささやきに他ならないが、それはしばしば腐敗しきった息である。
―「エミール」―

 

・用心というやつは絶えず我々を先へ先へと連れて行き、
しばしば我々が到達する見込みのないところまで我々を連れて行く。
我々の不幸はここにある。
―「エミール」―

 

・歴史は人生の方面よりも悪の方面をいっそう強く描き出す。
(歴史家にとって革命や困難は面白い材料だが、平和に栄えゆく世は材料にならないから)
―「エミール」―

 

・気を落とさないようにしなさい。見てごらん、
空はなんときれいに澄んでいるのだろう!わたしはあそこへいくんだよ。
―臨終の言葉―

(24-02/11/01)



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