--チェーホフ名言集-- |
(Anton Pavlovich Tchechov アントン=パブロビチ-チェーホフ)ロシアの小説家、劇作家。帝政期に、ユーモアと諷刺に富んだ短編小説を数多く残した。簡潔な表現で日常生活をさりげなく描きながら、人間の俗物性を批判するヒューマニズムに貫かれた作風をもつ。小説「六号室」、戯曲「桜の園」「三人姉妹」「ワーニャ伯父さん」など。〔1860〜1904〕 |
・僕の座右の銘――僕は何も必要としない。
―「手帳」―
・共通の憎しみほど人間を団結させるものはない。
―「断片」―
・誰に打ち明けたらいいのでしょう?誰に訴えたらいいのでしょう?誰と一緒に喜んだらいいのでしょう?
人間は誰かをしっかりと愛していなければなりません。
―「三人姉妹」―
・僕にとってごく当たり前の恋の出来心であったものが、彼女にとっては人生における大変革になった。
―「灯火」―
・一体、私たちはどんな一生を送るのかしらね。私たちって、どうなるの?
小説を読んでみれば陳腐なことばかり書いてあって、みんな分かりきったことばかりのように思えるけど、
いざ自分が恋をしてみると、はっきりわかるのよ――誰も何一つ分かっちゃいないんだってことが。
人はそれぞれ、自分のことは自分で解決しなければならないんだってことがね。
―「三人姉妹」―
・文明、進歩、文化と呼ばれている階段をどんどんのぼって行きなさい。
心からお勧めしますよ。でも、どこへ行くのかって?本当のところ、わかりませんが、
しかしその階段のためだけにでも、生きている値打ちはありますよ。
―「手帳」―
・孤独な生活をしている人たちは、心の中に何か鬱積したものがあって、
機会があればそれを喜んで人に話したがるものである。
―「六号室」―
・老人の厭世主義は外部からひょっこりやってくるのではなく、
自分自身の頭脳の奥深いところからくるのだ。散々苦しみ、数え切れないほどの過ちをしでかした後、
下から上までの全階段を上り終わった時に、初めてやってくるのだ。
―「灯火」―
・人間は好んで自分の病気を話題にする。彼の生活の中で一番面白くないことなのに。
・学問のある人間が大勢集まってあらゆる機械や薬品を考え出したが、
いまだに女性が原因で起こる病気の薬を考え出そうとした学者はいない。
・男と交際しない女は次第に色褪せる。女と交際しない男は次第に阿呆になる。
―「手帳」―
・餓えた犬は肉しか信じない。
―「桜の園」―
・真の幸福は孤独なくしてはありえない。堕天使が神を裏切ったのは、
おそらく天使達の知らない孤独を望んだために違いない。
―「六号室」―
・恋――それは、私の自我が異性の客観に感ずる利己主義的な索引に過ぎない。
―「森の精」―
・すでに生きてしまった一つの人生が下書きで、もう一つのほうが清書だったらねぇ。
そうすれば我々は、なによりもまず自分自身を繰り返さないように努力するでしょうね。
―「三人姉妹」―
・人間に理性と創造力が与えられているのは、自分に賦与されたものを増大するためである。
しかし、人間は今日まで破壊するのみで創造した事がない。
―「ワーニャおじさん」―
・女が男の友達になる順番は決まっている。
まず初めが親友、次が恋人、最後にやっとただの友達になるというわけだ。
―「ワーニャおじさん」―
・平らな道でもつまずくことがある。人間の運命もそうしたものである。
神以外に誰も真実を知るものはいないのだから。
―「決闘」―
・優しい言葉で相手を征服できないような人間は、きつい言葉でも征服できない。
―「女の手帖」―
・たとえ信仰はもっていなくとも、祈るということはなんとなく気の休まるものである。
―出典不明―
・千年後にも人間は「ああ、人生はなんという辛いものだろう!」と嘆きつづけるに違いない。
そしてまた同時に、今と全く同じように死を恐れ,死ぬことをいやがるに違いない。
―「三人姉妹」―
・人間こそが人間自身の幸福を創り出す。
―「文学教師」―
・あなたがもし孤独を恐れるのならば、結婚すべきではない。
―出典不明―
・結婚生活で一番大切なものは忍耐である。
―「決闘」―
(夫人が医者の命じたシャンパン酒を一杯さし出すと)
・「長い間、シャンパンを飲まなかったね」
―臨終の言葉―
(24-04/11/20)