--スタンダール名言集--
(Stendhal : 1783-1842 : フランスの作家・批評家)
グルノーブル生まれ。本名はアンリ・ベール。17歳でナポレオンのイタリア遠征に従軍、モスクワ遠征にも参加した。1822年、評論『恋愛論』を執筆、30年に『赤と黒』、39年『パルムの僧院』を発表。今日では近代小説の先駆者として評価されているが、認められたのは死後20年後のことだった。


-------------↓以下「恋愛論」より抜粋↓-------------

 

・愛する女に会ったすぐ後では、他のどんな女を見てもめざわりだ。生理的に目が痛くなる。
―「断章158」―

 

・恋は甘美な花である。しかしそれを摘むには、恐ろしい断崖絶壁までいく勇気がなければならぬ。
―「第41章」―

 

・初恋を思い浮かべると誰でも感動する。なぜか。あらゆる階級、あらゆる国、あらゆる性格を通じて、
ほとんど同じだからだ。したがって初恋は必ずしも最も情熱的なものとは限らない。
―「断章126」―

 

・恋が生まれるにはほんのわずかな希望があればよい。
それからニ、三日して希望は消えるかもしれないが、恋が生まれたことには変わりはない。
果敢で、向こう見ずで、激しい性格と、人生の不幸によって豊かになった想像力があれば、希望はもっと小さくてもよい。
―「第3章」―

 

・男は、俗っぽい女が与え得るすべてのものを受け取るより、
いつの日か愛する女の気に入られるという、きわめて当てにならない機会を夢見るほうを好む。
―「第3章」―

 

・絶世の美人は二日目にはそれほど人を驚かさない。彼女の値打ちは誰にでもわかり、装飾品になっているのだから、
彼女たちの恋人のリストには馬鹿のほうが多く数えられるに違いない。王族とか百万長者とか。
―「第20章」―

 

・少しでも気取った男は不幸である。たとえ恋しているときでも、ありったけの才知を傾けても、
自分の有利な点の四分の三を失う。一瞬でもつい気取ってしまうと一分後にはしらけた瞬間がやってくる。
―「第32章」―

 

・恋においては所有することは無意味であり、享楽することがすべてだ。
―「第35章」―

 

・金を分かち合えば愛を増し、金を与えれば愛を殺す。
―「断章78」―

 

・誰からも好(す)かれる人ほど、深く好かれない。
―「断章43」―

 

 

・情熱を持って恋したことのない人間には、人生の半分、それも美しいほうの半分が隠れされている。
―「第31章」―

 

-------------↑以上「恋愛論」より抜粋↑-------------

 

・愛情の問題における法則はただ一つしかない。それは自分の愛する人を幸福にすることだ。

 

・恋というものはなんと恐ろしい情熱なのだろうか。
それなのに、世間のうそつきどもは、恋をあたかも幸福の源泉のように言っている。
―「パルムの僧院」―

 

・幸福は伝染するものだ。もし幸福になろうと思うなら、幸福な人々の中で生きたまえ。

 

・私の旅行が素晴らしいものになるにつれて、私の日記はだんだん面白く無くなってくる。
私にとって幸福を描写することはしばしば幸福を弱めることなのだ。
それはあまりに繊細な植物なので、手を触れてはならないのだ。

 

・昔の幸福の思い出は、ただそれだけで、現在手に入れうるすべての幸福よりも魅力がある。

 

・我々が経験しうる、いつまで経っても変わらぬ最も長続きのする喜びは、自己に満足するという喜びだ。

 

・軽蔑というのは、馬鹿ていねいな言葉のうちに、いつも巧みに隠されている。
―「赤と黒」―

 

・彼らが良識と呼んでいるものは老化現象の始まりに過ぎない。

 

・人は独創的でなければ大物にはなれないが、大物でなくても独創的にはなりうる。
―「パンセ」―

 

・天才の特徴は、凡人のひいたレールに自分の思想を乗せないことだ。
―「赤と黒」―

(21-05/04/29)



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