《世界のエスニックジョークや小噺を集めました》

ジョーク・小噺集 その6

ユーモアの分析はカエルの解剖のようなものだ。興味を持つ人はほとんどいないし、カエルはそのために死ぬ。by E.B.ホワイト(米・小説家)

ジョーク目次 その1 その2 その3 その4 その5

その6 その7 その8 その9 その10 その11

ある夜、殺し屋が夫婦の住んでいる家に忍び込んだ。
彼は奥さんの首にナイフを突きつけ、
「殺される前に、名前を言え!」と言った。
彼女は震えながら、「エリザベートです」と答えた。
殺し屋は「お前の名前は俺のお袋と一緒だから、殺せないな」と言った。
そこで今度は、夫の首にナイフを突きつけて
「殺される前に、名前を言え!」と言った。
夫は震えながら答えた。

「こ、こ、戸籍上はフィリップですが、ふ、普段はエリザベートと呼ばれています」

イタリアとフランスとアメリカの首相がとあるリゾートホテルのプールサイドでヴァカンスを愉しんでいた。
そこへ妖精が現れ
「皆さんは日頃政治の世界で活躍してお疲れでしょう。 褒美におひとりに一つの望みを叶えて差し上げましょう。
このプールに飛び込むときに好きなモノの名を呼びなさい。水はすべてそれに変わります」
その言葉が終わらぬうちにイタリアの首相が飛び込み台に走っていき
「イタリアワイン!」と叫んで飛び込んだ。
プールの水はすべてイタリアワインに変わり、首相は飲んだり泳いだりして楽しく過ごした。
それを見たフランスの首相はプライドを刺激され、自分も走りながら
「フランスワイン!!」と叫んで飛び込み、飲んだり泳いだり楽しく過ごした。
それを見ていたアメリカの首相は心の中で
(こいつらのバカさ加減にはあきれるわい。何がワインだ。
俺なら黄金にするか…いや飛び込んだときに痛いな、ダイヤモンドにしようか……)
と考えながら飛び込み台に登っていき、そしてうっかり足を滑らしてこう叫んで落ちていった。

「クソッ!!!」

年取ったおばあさんが、病院で尿の検査をしていた。
尿取りコップをもらい、なんとか尿を取って、若い看護婦さんに三階の検査室まで持っていってくれるよう頼んだ。
ところが看護婦は、階段の途中でそのコップを落としてしまい、仕方なく自分の尿を取って渡した。
一週間後、尿検査の結果がわかった。
「おめでとうございます。赤ちゃんがお出来になりました!」
医者の言葉に、おばあさんはびっくりして言った。

「今の時代はキュウリさえ信用できないんだねぇ!」

精神病院で自分はナポレオンだと信じてる患者がいた。
あるとき、医師が
「なぜキミは自分がナポレオンだと主張するんだ」
と訊くと、その患者は、
「神様がおまえはナポレオンだと言った」と答えた。
すると、すぐそばにいたべつの患者が怒った顔でこう言った。


「おれはそんなことを言った覚えはない!」

息子「お父さん。酔っぱらうってどういうこ となの?」

父親「うーん、説明しづらいんだけど、例えばそこにグラスが2つあるだろう。 それが4つに見えたら酔っぱらっているということだ」

息子「でもお父さん。グラスは1つしかないよ?」

楽観的な男が50階建てのビルの屋上から転落した。
地上に激突する寸前に男は言った。

「俺はなんて運がいいんだ。ここまではなんとか無傷でこれたぞ!」

子供「お巡りさん、助けてください、あそこで僕の父さんが男とけんかしているんです」

警官「よし分かった。……それで、どっちが君のお父さんだい?」

子供「分かりません。それがけんかの原因なんです」

二人の落下傘兵が同時に飛行機から飛び降りた。
突然、一人が叫んだ。「助けてくれ!おれのパラシュートが開かない!」
もう一人が怒鳴り返した。


「大丈夫だ!これは訓練なんだから」

患者「夜になっても全然眠れないんです、先生、どうしたらいいでしょう?」
医師「そうですな、幸いあなたはお金持ちですから、とびきり美人のメイドを雇って、
15分ごとにキスしたらいいでしょう」
患者「そんなことで眠れるようになるんですか?」


医師「いえ、眠れません。でも起きているのが楽しくなりますよ」

ある病室に2人の末期ガンの患者が入院していた。 一人は窓側のベッド、もう一人はドア側のベッド。
2人とも寝たきりの状態だったが、窓際のベッドの男は、ドア側のベッドの男に窓の外の様子を話してあげていた。
「今日は雲一つない青空だ。」「桜の花がさいたよ。」「ツバメが巣を作ったんだ。」
そんな会話のおかげで、死を間近に控えながらも2人は穏やかに過ごしていた。
ある晩、窓際のベッドの男の様態が急変した。自分でナースコールも出来ないようだ。
ドア側の男はナースコールに手を伸ばした。……が、直前になってボタンを押す手をとめた。
「もしあいつが死んだら、自分が窓からの景色を直接見れる……」
どうせお互い先のない命、少しでも安らかな時をすごしたいと思ったドア側のベッドの男は、
自分は眠っていたということにして、窓側のベッドの男を見殺しにした。
そして窓側のベッドの男は、その晩、そのまま死亡した。

翌日、ドア側のベッドの男はいよいよ窓側のベッドへ移ることになった。
男は、看護婦に抱きかかえられてカーテンのそばに横になる。
期待に胸がうちふるえた。
そこから見える外の景色、これこそ彼が求めているものだった。
そこから見えたもの、カーテンの向こうは、

ただの薄汚れたコンクリートの壁だった。

とある日曜の午後のゴルフ場、牧師と医者とプログラマーの3人がプレーをしていた。
3人が順調にプレーを進めていくうちに、前の組に追いついてしまった。
しばらく様子を見ていたが、前の組はプレーが遅くてなかなか進まない。
しびれを切らした3人がキャディーに文句を言い始めたところ、キャディーいわく。
「どうかなにとぞご容赦ください。今、前でプレーしているのは目の見えない方々なのです。あの方たちは以前は消防士で、かつてこのゴルフ場のクラブハウスで火事があったときに、決死の活躍で多くの人を救出されました。しかし、その際に皆さん煙で目をやられて光を失われてしまいました。そこで、敬意を表したオーナーが、あの方々についてはいつでも好きなときにプレーをしていただけるようにと配慮しているのです」

それを聞いた3人は黙ってしまった。そして前の組に近づいていって話しかけた。
まず牧師がこう言った。
「皆さんはとても勇気のあるすばらしい方々ですね。私は深く感動いたしました。
神のご加護がありますように祈らせてください」
次に医者がこう言った。
「皆さんの話には深く感銘をうけました。私の知り合いに大変名医の眼科医がおります。
皆さんにぜひ紹介してさしあげたい」
最後にプログラマーがこう言った。


「あなた方は夜にプレーすればいいと思うのですが」

友人に裏切られ、全財産を失い、荒れた暮らしで体を壊し、不治の病に冒され、
ひとり寂しく死の床についている男がいた。
突然、目の前に妖精が現れて言った。
「どんな願い事でも構いませんので、あなたがかなえたい事を3つ言ってください」
男は即答した。
「友情と財産と健康が欲しい!」
そして、感激して男は続けた。
「ありがとう! もう何と言ってよいのか...」
「いいえ、どういたしまして」
妖精は答えて言った。


「こちらこそ、アンケートに御協力いただき、ありがとうございました」

気象予報士とは……

翌日の天気がどうなるか予報し、なぜそうならなかったのかを当日の夜に説明できる人物。

「あのー。オウムがほしいんですけど」
「いらっしゃいませ。うちには3種類のオウムがいまして。まずこのオウムは500ドルでございます」
「500ドル?なんでそんなに高いんですか?」
「こいつはパソコンを使えるんですよ」
「ほう。では次のオウムは?」

「これは1000ドルでございます」
「1000ドル?なんでそんなに高いんですか?」
「こいつはパソコンが使えるのに加えて、UNIXがわかるんですよ」
「ほう。では最後のオウムは?」

「これは2000ドルでございます」
「2000ドル??なんでそんなに高いんですか!?とんでもないすごいことができるんですか?」

「いえ。何もできないんですが、他の2羽がこいつのことを上司と呼んでいるので」

その男はなんとかして融資を受けようと、銀行の融資担当窓口で長い間熱弁をふるった。ついに融資係が言った。
「あなたへの貸し付けが成功するかどうかは五分五分ですな。なかなか判断がつきません。……よろしい、それではこうしましょう。実は私の片方の目は義眼なのですが、それがどちらか当てられたら、融資するとしましょう」
男は融資係の目をじっと見つめた。その義眼はとても精巧にできていて、本物の眼とまるで見分けがつかなかった。やがて、男が答えた。
「右目が義眼ですね?」
「これは驚いた」融資係は言った。「今まで誰一人として当てた人はいなかったのですが、どうして分かったのです?」


「いや、簡単なことですよ。右目にはわずかながら人間らしい光が見えたのでね」

ある男が悪魔を呼び出した。
悪魔「お前さんが私を呼び出したからには、願いを1つかなえなくてはいけないな」
男「よし、じゃあ俺の願いをかなえてくれ。今すぐここに、俺が一生使えきれないほどのお金を出すんだ」
悪魔「良かろう」
こうして悪魔は、男の目の前に大きな金属製のトランクを取り出した。
悪魔「この中にお前さんが一生で使えきれないほどの金が入っているぞ」
男「本当か?」
悪魔「自分で確かめて見るが良かろう」
男がトランクのふたを開けると、中には一円玉が一枚置いてあるだけだった。
「なんだこれは!ふざけるな!」男が悪魔に向かって怒鳴ると、その途端、男は心臓麻痺であっという間に死んだ。悪魔は、男の死体に向かってこう言った。

「確かにお前さんが一生かかっても使えきれないほどの金を与えてやったぞ!」

アメリカの調査結果により、パンはとても危険な食べ物だということがわかった。
以下がその理由である。

1) 犯罪者の98%はパンを食べている
2) パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である。
3) 暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている。
4) パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
5) 新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる。
6) 18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった。

7) パンを食べるアメリカ人のほとんどは、重大な科学的事実と無意味な統計の区別がつかない。

以下の命題を実証せよ。
「すべての奇数は素数である。」

物理学者:
3は、素数である。
5は、素数である。
7は、素数である。
9は、素数では無い。
しかし、9は、実験の誤りである。
よって、すべての奇数は素数である。

数学者:
3は、素数である。
5は、素数である。
7は、素数である。
よって帰納法によりすべての奇数は素数である。

エンジニア:
3は、素数である。
5は、素数である。
7は、素数である。
9は、素数である。
よって、すべての奇数は素数である。

仕事を一生懸命やると、彼女のための時間はないのかといわれる。
仕事をほどほどにすませると、甲斐性なしといわれる。

彼女より先に昇進すると、男女差別といわれる。
彼女が先に昇進すると、機会均等といわれる。

彼女の服をほめると、セクハラといわれる。
彼女の服について何も言わないと、気がきかないといわれる。

彼女の前で泣けば、情けない男といわれる。
彼女の前で泣かなければ、感情のない男といわれる。

彼女に相談せずに決めると、自己中心的といわれる。
彼女が相談せずに決めると、自立した女といわれる。

彼女に花を買っていけば、下心が見え見えといわれる。
彼女に花を買っていかなければ、配慮が足りないといわれる。

自分の身体をきたえれば、ナルシストといわれる。
自分の身体をきたえなければ、だらしないといわれる。

彼女に体型を保ってほしいと言えば、性差別に基づく偏見といわれる。
彼女の体型について何も言わなければ、私に関心はないのかといわれる。

むかしむかし、若くて男前の王子がいました。
しかしふとしたことで魔女の怒りをかい、王子は呪いをかけられてしまったのです。
その呪いとは、1年に1文字しか話せないというものでした。
もし1文字も話さない年があれば、翌年2文字話せます。
手紙や身振りも許されなかったので、相手に意志を伝えようと思ったら、
何年もかけて文字数をためるしかありません。

ある日、王子は散歩の途中で美しい姫に出会いました。
金色の髪、ルビー色のくちびる、サファイア色の瞳。王子は一目で恋に落ちました。
本当はすぐにでも『アイシテル』と言いたかったのですが、5文字しゃべるために、その後の5年間ひとこともしゃべらず待ちました。でも5年たつと『ケッコンシテ』も言わなくてはと思い、更に5年待ちました。
そうして初めての出会いから10年後、やっと王子はプロポーズ!
「愛してる。結婚して」
王子の言葉に、姫は金色の髪をかき上げ、サファイア色の瞳で王子をみつめ、
ルビー色のくちびるを開いて答えました。

「え?なに?」

教会での結婚式に参列していた小さな男の子が小さな声で母親に訪ねた。
「ママ。あの女の人ドレスはどうして白いの?」
「白いウェディングドレスは,幸福の色なのよ。人生で一番幸せな日に着るのよ」
「フーン」男の子はしばらく考えて,また聞いた。

「じゃ、ママ。なんで隣の男の人は黒い服を着てるの?」

教授はレントゲン写真を見せながら、学生たちに説明した。
「この患者は、左の腓骨と脛骨が著しく湾曲している。そのため足をひきずっているのだ。
スティーブ、こういう場合、君ならどうするか言ってみなさい」
スティーブは一生懸命考えて答えを出した。


「えっと、僕もやっぱり足をひきずると思います」

ジョン:「パパ。ひとつ聞いてもいい?」
パパ :「なんだい」
ジョン:「国の仕組みってどうなってるの?」
パパ :「いい質問だ。よし。うちの家族を例にとってみよう。パパはお金を稼ぐから”経営者”だ。 ママは家計を管理してるから”政府”だ。そして、パパとママに面倒を見てもらっているお前は”国民”だね。ウチで働いているメイドのミニーは”労働者”だ。赤ちゃんは・・・そう、”未来”だね。国の仕組みってこんな感じだよ」
ジョン:「うーん。よく分からないや。今夜、よく考えてみるよ」

その夜、赤ん坊がおもらしをして、ひどく泣いていた。ジョンは両親に知らせようと寝室に行ったが、 ママが熟睡していただけだった。そこで、メイドの部屋に行った彼は、ドアの隙間からパパとミニーがベッドの上で夢中になっているのを見た。「パパ!」と何度も声をかけたがまったく気づいてもらえない。
しかたなく、ジョンは自分の部屋に戻って寝てしまった。

次の朝・・・。
ジョン:「やっと国の仕組みって分かったんだ」
パパ: 「ほう。えらいな。どれ、説明してごらん」
ジョン:「ええとね。”経営者”が”労働者”をやっつけている間、”政府”は眠りこけているんだ。 そして、”国民”の声は完全に無視されて、”未来”はクソまみれなんだよ」

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